海外アニメの書き散らし

ネタバレ注意!!

『ウィッシュ・ドラゴン』 あるいは回避されるロマンス

Wish Dragon (Original Motion Picture Soundtrack)

鑑賞日:2022/08/20

楽しめました

アラジン的な感じかな?と思いつつ、ドラゴンの方も人生お金や権力だけじゃないと学ぶところにじんと来た。

 

 

ドラゴンによるアドバイス、女子にやってはいけないデートテクニック感満載で笑う(お店の人に偉そうにする、自慢ばかりする等)

悪役の足技、ここまで極めてると面白いな

エンドクレジットで子犬の動きがループしてたの、最後の最後でアニメーターが力尽きたみたいな印象を受けてしまった。ムリせず背景を走り抜ける演出にしておけば…!

錦鯉渡辺みたいな顔の人がちょいちょいいたな

 


主人公とヒロインの関係的に、ロマコメになってもおかしくなさそうなのに、恋人っぽさを匂わせつつもわざわざそれを回避して、友達以上恋人未満で終わるのが興味深かったです。
一昔前ならこういう男性主人公の作品だと普通にヒロインと恋人になってキスして終わっててもおかしくなさそうなのに、近年の海外アニメ映画(ハリウッドスタイルのもの)のロマンス回避ぶりはすごいですね。
今回見た他の男性主人公の作品でも、『ジェイコブと海の怪物』は女の子キャラと年の差があって恋愛方向にはいかないし、『ビーボ』も主人公と同じ種類の動物の女の子が出てくるみたいな展開はないし、『秘密のまほう管理局』はきょうだいコンビで、メインキャラの恋愛は無いし。
元々プリンセスではない女性キャラクターが主人公だと恋愛要素がほぼ無くなるという傾向はあったんですが、それが男性主人公にも拡大されてきたんでしょうか。でもどうして。
いや恋愛要素は別になくてもいい派なのでありがたいはありがたいんですが。いままでの恋愛があるの当たり前、結ばれれば次は子供ができるの当たり前…という流れにうんざりしてたので。
もうそういう「男女出会う→結ばれる」パターンは画一的過ぎるから多様性の時代に合わなくなってきてるとかなんでしょうか。下手な異性間恋愛を描くとロマンティックラブイデオロギーだとフェミニストに怒られるけど、かといって性的少数者のロマンスを描くと保守的な人に怒られるとか?
物語の起点としての恋愛要素はあるんですけどね。『ビーボ』では最初の飼い主が好きだった人に伝えられなかった想いを代わりに伝えに行ったり、『フェイフェイと月の冒険』では月の女神が恋人を待っていることを証明しに行ったり。
この作品の「ロマンスやるふりしてやっぱりやらない」という不思議な素振りがきっかけで気になりました。米中合作作品ですが、プリンセスものからすら恋愛要素が消えたアメリカ作品ほど恋愛要素を無くしたいわけでもないけど、そっちに一応合わせていくべきかなという複雑な感情があるんですかね。ストーリーアーティストが米中どっちの人が多いのかそんなにガッツリ見てなかったんであれなんですけど。