海外アニメの書き散らし

ネタバレ注意!!

宝塚版ミュージカル『アナスタシア』見てきました

 

今年はコロナの合間を縫って、なんとかお芝居を見る一年になりました。

宝塚歌劇団のお芝居を見るのは初めてで、こういう知ってる演目じゃないと多分見に行くこともないだろうな~ということで兵庫まで行ってきました。

感染予防のためか、冷房かな?ってくらい風がピューピュー吹いてて寒かったです。でも人がいっぱいいました。やっぱキャナルと全然違いますね。

Spotifyでブロードウェイ版をちょっとだけ予習してから行きました。

以下アニメファンのたわごとでございます。

 

 

 

 

 

 

話はまあまあって感じで、観終わったとき「やっぱアニメの方がいいな…」と思ってしまいました(ノートルダムぶり2回目)。

第一幕は曲も多くてそれなりにノリノリで見ていられたんですが、第二幕の終盤、おばあさまとの再会のシーン周辺がもたついた感じで、足が寒いのもあって早く終わんないかなとちょっと思ってしまいました(こら)。

もっとさっさとオルゴール出したらいいのに…とか。とりあえず大きい声出してギスギスしててなんだかなぁ…って感じ。これは元のブロードウェイ版がそういう脚本・演出なんですかね…。

アナスタシアは一応「自分が何者か知る・家族を見つける」が一番の目的(だったはず)で、別に王族(プリンセス)でありたいわけじゃないから、「私は皇女アナスタシアです!」って宣言したり、「もうわからなくなりました…」とかグダグダするのもちょっとよくわかんないし。いやアニメ版がそうだっただけでプリンセスになれるかどうかが舞台版の争点でしたっけ…?またぼーっとしてたのかな…。

アニメ版はこんなギスギスしてた印象ないんだけどな、どんなんだったっけと思って見返したら、アニメの方がスマートな伏線の張り方&終盤の展開をしていてびっくりしました。

舞台版はもうアナスタシアを名乗る人間には会わないと言っていたおばあさまがなんでふわっとした理由で会いに来たんだろう…と思ってしまったのですが、アニメではディミトリがおばあさまの車を乗っ取ってアナスタシアのいるホテルまで連れてきていました。このやり方自体はだいぶ強引なんですが、それを支えるだけの強い根拠(「隠し扉を使って逃げた」という、ディミトリらその場にいた人間しか知らないことをアーニャが思い出した)があったので納得できました。これに比べると舞台版の「パレードで会ったから」という根拠は弱いなと思ってしまいます。(オルゴールもアニメ版はディミトリが持ち続けていたものですが、舞台版だと偶然手に入れたことになってるし)

もちろんアニメでもおばあさまの「もうたくさん」といったセリフはあるのですが、アナスタシアもそれに対してつんけんするというよりは「私があなたの家族なのか、そうでないのか知りたかっただけ」と割と平静に返しており、舞台版のいかにももめてるな~という嫌な感じはほぼないです。そして本人の記憶、物的証拠(ネックレス)と、かなり丁寧にアーニャ=アナスタシアである証明をしていました。舞台版で最後本人とわかる決め手ってなんでしたっけ…こないだ見たはずなのに思い出せない…アーニャ以下の記憶力で草(すぐアニメ版を見返してしまったせいかも)。ふわっとした決着だったのか…とりあえずアニメのような納得感は得られませんでした。

 

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ラスプーチンがいないってのは知ってました。

その代わりに薄めたノートルダムのフロローみたいなキャラが登場してました。アーニャに惚れるんだけど、自分の使命(王族を殺す)との間で葛藤するっていう。

でもロマノフ絶対殺すマンとしてはラスプーチンの方が仕事してたなーと思う。追っかけてくる怖さとかインパクトはあまりない。「知らない じじいが 殺される(あるある探検隊のリズムで)」くらいで。この設定だとアーニャが「フランスへ亡命します」って言ったら、その時点で手出しできなくなりそうだし。

コミカルな描かれ方もしたりと根はわりといい人っぽさがあり、バレエ鑑賞のシーン(Quartet at the Ballet)で煽ったわりに最後はアーニャを見逃してくれるし。(アーニャ、「いやあなたはお父さんと違った形で立派だよ」くらい言ってあげたらよかったんじゃない) てか終盤、もう出てこないままフェードアウトするんじゃないかと軽くハラハラした(笑) 

ソ連の軍人っていうからもっと冷酷なキャラになってたら、雰囲気が重くなって嫌だなとは思ったけども。こういう毒にも薬にもならないキャラにするくらいならラスプーチン続投でよかったのでは…。

ラスプーチンの歌はよくわからない祖国への哀悼の歌になってて、居抜き感がすごかった。「A Rumor In St. Petersburg」

の中でフレーズだけはちょこちょこ使われてたのは良かったけど。

 

ディミトリは前に出過ぎ。でもこれは宝塚版だからなんですかね?

「Journey To The Past」の冒頭に入ってきたとき、お前は歌わなくていいだろ…と思ってしまった(ブロードウェイ版でもディミトリは歌ってなかった)。アニメの「Paris Holds The Key」の「Yes, Princess, I've found you at last.…」部分のニュアンスを「Journey~」の頭に移したんでしょうけど。

「My Petersburg」はブロードウェイ版を聞いたときからいいなと思ってて、こっちもよかった。

どれが追加された楽曲だったんだろう。アーニャが事務所に入ってくる前の独唱かな。「In a Crowd of Thousands」のリプライズっぽい感じ?

 

ヴラド、(役者さんのせいか)若いんだか歳なんだかわからん役。テンションの高さのせいか、なんならディミトリの弟分にすら見えるw コミカルキャラは変わってなくて嬉しい。

個人的には「Learn To Do It [Reprise]」のメロディーをイチャイチャするシーン(The Countess and the Common Man)に使って欲しくなかったかなー。個人的にこのメロディーは若いお二人のためのロマンティックな曲だと思ってるので…。列車のとこの「We'll Go from There」をリプライズすればよかったのに。

ヴラド役の人かわいかった。くまいもとこみたい。

 

アーニャの最初の歌「In My Dreams」、後半の高音のとこすごいフワッと歌ってて、中音域に入ってから急にハッキリしたの、息継ぎのタイミング間違えた?ってちょっと思ってしまった←

歌い方はディズニープリンセスぽく、喋りはハキハキしたかんじでよかった。

 

おばあさま、若い役者さんぽいけどすごい。終盤の疲れ切った様子とかうまかった。顔険しいし、アンジェラ・ランズベリーみたい。

リリーの人歌うまい。TDSのBBBぽさがある。アニメのソフィーとはまた違って気が強いキャラだけど、これもこれでコミカルで面白かった。おばあさまのためにアナスタシアっぽく手紙を読み上げるとこすき。

ロン毛伯爵なんかすき。鼻筋がすごい。

 

「A Rumor In St. Petersburg」意外と革命最高!裏切者は収容所送り!みたいなノリになってました。メロディーのフレーズがひんぱんに他の曲にも使われてる。

「Learn To Do It」、ブロードウェイ版で初めて聞いた時はゆっくりすぎてイヤだと思っていたんですが、舞台で見ると違和感なかったです。

「Journey To The Past」なんでこんな変なとこに移動してるんだ…と思ったら、一幕の終わりに持ってきたかったのね、なるほど。

「Land of Yesterday」はあんまり存在意義がわからない曲だったな…。ロシアにはもう戻らなくていいっていう理由づけ?

にしても曲が全体的にきちんと90年代風のミュージカル曲なの最高。もう90年代は戻って来ないと思ってたけど、こんなところにあったんだね! 勝手な印象だとなんとなく『ウィキッド』っぽい(ドラムのせいか)。シュワルツ風というか。

 

スペクタクルっぽいとこは全て切り縮められていてちょい悲しい。列車の横転シーンや、最後のラスプーチンとの対決など。特にアニメのアーニャキックは、舞台版の「君意外と強いんだね」ってギャグが活かせたのにとちょっと思ってしまった(そしてこのギャグは笑った)。

オルゴールをもらってから、普通の公園で王族たちの幻影を見るっていうのが、宮殿に入りこんで思い出すのに比べるとちょっとイメージ弱いかなと思ってしまう。

 

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宝塚の劇を見た感想としては、みんな高山みなみみたいなしゃべり方してる不思議な劇だな…でした(おい)。みんな女性声優の少年役みたいな話し方してるなと門外漢的には感じました。意外と?『スポンジボブ』のプランクトンの吹き替えみたいな人はいませんでしたね。演技の癖のつけ方の問題かな。

あと役者さんの体格差がほぼないのがなんだか不思議な感じ。すごく背の高い人もいなければ、すごい小さい人もいない。靴で合せたりとかしてるのかな。そんな人たちが、同じくらいの体格の人たちを持ち上げたりしてるのすごい。アリみたい(怒られる)。

男性のモブキャラとかどうなるんだろーと思ったら結構いっぱい(半分くらい)いました。

はしっこで世間話してるモブかわいい。これはお芝居のいいところですね。

てか人が舞台上に多い、群舞すごい。コロナなのに大丈夫なのかな…と思ってしまった。

 

いつもは生オーケストラってほんとですか。いいなー。

オーケストラピットっていうけど、ほんとにあの縦穴みたいな場所に普段はオーケストラがいるんですかね。

何故か指揮者の人だけがいて、指揮したりしなかったりしてたのが面白かった。歌ってる人に対する指揮だったのかな。

 

舞台回転するのすごい。メキメキメキメキ音がしてた。

セットチェンジのために役者を花道にのせがち。

プロジェクターで背景とか床とか投影してるのすごい。床が石畳とか、場面で入れ替えられるの便利ですね。

 

女性ソ連兵めずらしい。『戦争は女の顔をしていない』をなんとなく思い出すなど。キュロットスカートみたいな制服がちょっとかわいい。

群衆の男性モブのキャスケットとか格好がアニメのアーニャっぽかった。舞台版のアーニャの方がワンピースにブーツで女子っぽい。

アーニャの最後のドレスは素敵だった。アニメはシックなデザインだったけど、こっちは真珠つき。より派手でかつ安っぽくない。

 

レビューで寝るのを危惧していましたが、大丈夫でした(ダンスにわりと興味ないパーソン)。

本編の曲アレンジでやってくれるんですね。ここで「Paris Holds The Key」を華やかにやってくれたのが嬉しかったです。本編の方はわりと控えめな演出だったので。

ロシア人が集うサロンの曲(Land of Yesterday)の方がギラギラしてて、アニメ版の華やかさに近い感じでした。

 

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元々アニメ版はそんなに素晴らしい脚本のイメージ無くて、曲がスキ~くらいのノリだったので、まあ多少脚本が変になってても平気だろうと思って見に行ったのですが、舞台を見てからアニメを見返したらこんなになめらかできちんとした脚本だったっけ…と思ってしまいました。

ブロードウェイの人が悪いのか、私が演劇とめちゃくちゃ相性悪いのか…(多分後者)。朝早く家を出てボーっとしながら見てるのが悪いのか…。

まあディズニーの実写化映画とかも別に面白くはないですし、こんなもんなんでしょうか(期待しすぎた?)。

まあ後は日本で舞台化されそうな好きな作品もそんなにないんで安心ですかね。シュレックとかコララインとかやんないですよね?(ミュージカル版が一応あるらしい)。

お芝居よりフィルムコンサート的なのに行きたい欲が出てきました。どっかやってくれないかなー…。