鑑賞日:2019/3/29
アメリカは実写映画のほうで大マジにヒーローものをやるから、アニメ映画のほうはMr.インクレディブルもそうだしメガマインドやレゴバットマンみたいにちょっとパロディっぽい作品が多いよな~と思ってたらここにきて急に大マジのほうに行くんかい、という感じです。
さすがミッションインポッシブルを撮っただけあって、全体的な雰囲気が実写映画っぽかったです。
話の展開とかも含め、前はもうちょいパロディっぽかったのに…。もうかつての流れるような脚本は帰ってこないのかなぁ。
冒頭、情報量少なくてもとりあえずド派手にぶちかます演出ってハリウッドの実写映画のお作法ですねやっぱり。
作画はいつも通り高クオリティですね。
序盤の列車を止めるシーンとか、夕暮れの色調も相まってすごくよかったです。アニメーションはやっぱセットから人物から全部思い通りにできるのがいいですね~。実写みたいにCGを頑張ってなじませる必要がないですから。
スクリーンスレイバーと戦うところだけ若干セルルック風でちょっとドリワっぽかったです。やっぱりなんとかフォトリアルからずれようとしてるんでしょうか。
胸につけるカメラが出てきて、おっ今はやりのPOVか?って思ったけど特に一人称視点のシーンもそんなになかった…。
前作と違い街全体が映ってて、こんなレトロフューチャーなデザインだったとわかって面白かった。カメラとかテレビもすごい古めかしいし。ちょっとBioShock風というか。スクリーンスレイバーのアジトのおどろおどろしい雰囲気とかよかった。
ただ一家の住む家はすごく現代的で、またデカい家?と思ってしまったけど多分怪盗グルーに出てくる悪役の家のせいかも。リビングにあんな水の張られた部分があったら湿気がすごくないのかな。
あのメディア企業の兄妹はあんまりピクサーキャラっぽくないデザインだから、この映画の実写映画ぽさをより増進しているような。
話は微妙。
子供たちが活躍してるんだかしてないんだか。
今回はお母さんが働いてお父さんが主夫やるっていうすごいベタで普通の実写ドラマ映画でもありそうな設定で、そこをどうピクサーなりに見せていくかって話なんですけども…。多分お子さんがいるご家庭あるあるなんだろうなってのは分かるんですがそれ以上のものには見えませんでしたねあんまり…。
大きな危機自体も最初と最後で同じことやっただけですし…いやそれ自体は全然いいんですが、普通最後はもっとお話の中盤でやったことをばんばん反復しつつ、最初とは違ってスマートに解決する、っていうのが定番じゃないですか。なんかそういう伏線回収のカタルシスみたいなのもあまり感じられませんでした…。
あと私もこの悪役と同じような理由で(警察や福祉がしっかりしてればヒーローいらんと思ってしまう)ヒーローものがあんまり好きではないというか興味が無いので、それに対するあまり良いアンサーがなくて残念。なんで人はヒーローを求めるのか、私自身もよくわからないタイプなので、そこは納得させてほしかった。
もう少し外れにくいゴーグルならよかったですね。
モンスターズユニバーシティ短編のドアジャミングといい、空間をつなぐ能力のお姉さんといい、portalにだれかハマってますね?(笑)
新しく出てきたヒーローたちもまたもや賑やかし感が否めず。
エドナおば様がまた出てくれて嬉しいよ…おば様いたらアライグマのくだりそんなにいらなかったのでは。妙にしつこいし。
あのベビーシッターの子、有能オブ有能。
ジアッキーノ最近よくディズニーピクサーでよく使われてるね。
ピクサーはランディ・ニューマンといいジャズっぽいのが好みなのかな?そうでもない?
同じく収録されていた短編『BAO』はすごい中国っぽさ全開で、ついにこういう作品を出してくるようになったかとびっくり。
コマ撮りっぽいやわらかい質感もかわいくて、こうくるとやっぱライカとかこれからどうするん?という気持ちに。
目の描き方はピクサーだけど、食べ物の描写がすごくおいしそうで上手なあたり、アメリカのアニメっぽくないとちょっと思ってしまいました(笑)
そのころちょうどBBCの「厳しい親に、5分進んだ時計……「在外アジア人あるある」がフェイスブックで話題に」 を読んだところだったので、このお母さんの過保護っぷりはあるあるなんだなとちょっと笑いました。
途中はちょっと「我が子を喰らうサトゥルヌス」みたいで怖かったですが:;(∩´﹏`∩);:
ストーリー自体はベタだけど、セリフなしでも手際のよい話の進行が頼もしい。これからに期待したいです。