海外アニメの書き散らし

ネタバレ注意!!

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』

大人のためのグリム童話 手をなくした少女 (字幕版)

 

ご予算低めの『かぐや姫の物語』的な。
ザ・おとぎ話なシンプル展開と面白作画だけでイケると踏んだ勇気がすごい(このおとぎ話再解釈真っ盛りのこんにちに)。アートだから大衆に受けなくてもいいってやつでしょうか? 尺80分もいらないと思います。

 

こういうシンプルな作画こそ上手さが問われると思うのですが、ところどころマッキーで書いたみたいになるシーンがあったのが残念。CGなので、筆っぽい線の消え方をしている部分が見えないとのっぺりした線に見えました。
手が失われる前の手仕事のシーンももっと印象付けるべきだろうに、描き込みがあっさりしていてなんだかな。
唯一、悪魔をとらえようとするお父さんの手のシーンは印象に残りましたが、娘の手じゃないんかいっていう。
跳ね回る人物の動きも、舞い上がるというよりは下に引っ張られて落ちていくようで重たくてあんまり好みじゃない。最後の親子三人が飛び去るシーンもハエのような動きだし…。

あの義手、なんでキユーピーちゃんみたいな手にしたんでしょうか。そりゃ使いづらかろう…。
手がなくなった後の肘の先も終盤ではひづめのように割れており、それだいぶ物とかつまめるやん…ってなりました。あれはガシャガシャした線で描いてただけ?
悪魔を退散させた後に手が戻った方がカタルシスある…と思ったんですが、斧を持ったら手が戻ってきたのは夫を殺させるための悪魔の策略だったんですかね? ちょっとわかりにくかった。

 

かぐや姫の物語』とは違って、お父さんが金の縄で首をつってるシーンがあったのにはちょっと笑いました。