海外アニメの書き散らし

ネタバレ注意!!

劇団四季の『ノートルダムの鐘』ミュージカル感想たぶんネタバレ

(※最初に見に行ったときの感想も移動させました)

 

いやー時間たつのめちゃ早いですね…
ということで劇団四季の『ノートルダムの鐘』の舞台を見てきたので、その感想をぼちぼち書いてみようかと思います。
忘れてる部分もいろいろあるかと思いますが…。

二階席で見たのでなんだかビッグバンドビートっぽさがありました(笑)
舞台そのものの大きさは、なんとなく予想していた通りこじんまり。
聖人の石像がついた壁(開閉式)や花火の演出はミスティックリズムを思い出したり。。

以下
ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』→原作
ディズニー映画『ノートルダムの鐘』→映画
今回の劇団四季のミュージカル→舞台
海外のオリジナル版のミュージカル→オリジナル
オリジナル版の音楽・音源→アルバム
と略して表記します。

 

 

 

 


ざっくりと評価すると、まあまあ、でしたね。
見終わったとき、映画の出来の良さを再確認させられました。

 

まずこれはどうしても仕方がないことなのですが、アニメーションに比べるとやはり生身の人間が出来る動作には限界があります。そこで映画と舞台を比較してしまうと、やや見劣りがしてしまいました(私自身普段から実写映画よりもアニメーションのほうが優れていると信じている人間なので、なおさらそう感じる傾向があったかもしれません)。

 

次に物語も、原作と映画の再融合があまりうまくいっていないように思えました。
原作の理不尽さやシュールさ、間延びなどを映画ではあちこち手を入れうまく再構成していたにもかかわらず、舞台は原作を目指すことで再びその理不尽さを呼び込んでしまったように思えます。
映画と比べると人物の心情の動きや物語の進行などの分かりやすさが失われてしまい、もし舞台がこの作品の初見だったとしたら私はあまりハマらなかったのではないかなと思ってしまいました。

 

アルバムの歌詞カードにあった序文では、(あくまで意訳ですが)「子供向けを脱し、大人向けのミュージカルを作ることを目指した」といったようなことが書かれていたのですが、映画でも十分ダークさを覚え・考えさせられたし、決して性的な事柄を盛り込んだり人が多めに死んだりすることだけが“大人向け”ではないだろうとやや辛口に考えてしまいました。


#キャラクター・脚本について

フィーバス隊長を原作に近づけてしまったのは一番の失敗だと思いますね。
原作の中でフィーバスはフロローに並ぶダメキャラというか不幸の発生源みたいなやつなので、そこに引き戻すことでかなり理不尽さというか飲み込めなさが増してしまった気がします。
映画ではエスメラルダを二度救い、パン屋さんやカジも救うたくさんの活躍があり、エスメラルダが惹かれてもおかしくはないかなと思えるキャラクターになっていました。ところが舞台ではエスメラルダを救うシーンがほぼない(聖堂内でろくに会話すらしない!)ため、エスメラルダがフィーバスのどこに好感を抱いたのかがわかりづらくなっています。
(そう考えると映画でのエスメに絡む衛兵をフィーバスがやりこめるシーンは導入としてなかなかよくできていますね。ちなみに原作ではフロローの指示を受けたカジモドがエスメラルダをさらおうとするところをフィーバスが助け、エスメラルダはフィーバスに好意を持つという流れでカジモドの好感度が最悪w)
二人が初めて出会うのはエスメの登場と同時で、「レスト・アンド・レクリエーション」(休んで楽しもう!の歌)の後ですからちょっと軽い・チャラ男風の興味の持ち方のようですし、「タバーン・ソング」(ジプシーたちが酒場で踊るところ)もイチャイチャしてるだけでなんか単純な男女の色恋というかんじ…。原作ですら一応フィーバスがエスメを助けるというわかりやすいきっかけがあるのに、なんとなく美男美女だからひかれあったというのは物語の推進力として弱い気がします。
「イン・ア・プレイス・オブ・ミラクル」(奇跡御殿でのエスメとフィーバスのデュエット)もなんか唐突で…ああ、ここで急に結ばれるんだ、もっとこの前にストーリーやせりふがあるかと思ってたのになかったなと。映画だとカジにちょっと遠慮してたのに思いっきり歌っちゃうし。
「レスト・アンド・レクリエーション」も歌詞的に、武功を立てて凱旋したというより、なんだか戦場から逃げてきた人のようにも聞こえますし。舞台の公式サイトでは「戦場で心に傷を負った男」みたいな書かれ方してましたけど。

チャラチャラして勇ましくもない、ただの気障なイケメンのようで、映画のような納得感は得られませんでした。原作では女遊びの好きなイケメンで、エスメラルダのことは完全に遊びで最初の一回助けただけであとは特に助けも何もしないキャラなので…。 映画でなんとかいい行動を増やすことで原作の気障さやクズさを減らしたのに、結局微妙なキャラに逆戻りって感じです。
アルバムを聞いていて、エスメとフィーバスの歌が増えていたので、映画よりもこの二人の関わりがより深く描写されるのかなと期待していたのですが、むしろ薄まったような気がしました。

(あとこれは私の勝手な印象なのですが、フィーバス役の人の髪型・髪の色・衣装の色(青灰色、ライトのせいか明るく見えた)のせいかなんとなく『シュレック2』に出てきたプリンスチャーミング(きざったらしい王子様の悪役)のように見えてしまってそこも心証を悪くしましたね(爆))


それからエスメの死にオチには納得いかないですね。やっぱ死ぬのかーとは思いましたが\(^o^)/
自分の解釈では、映画はエスメの選択(フィーバスを選ぶこと)をめぐる、カジとフロローの対比が話の軸だと思っています。だから、カジがエスメを祝福しない(できない)と、そのコントラストが成立しなくなって話がぼやけてしまう気がするんですよね。
エスメが遺した思いをカジやフィーバスが聖堂を守ることで継いでいく…というオチなのかな、とアルバムを聞いて考えていたのですが、カジも原作通り死んじゃうし。フィーバスはまあ原作よりはマシだけどやっぱ頼りないしなぁ。
あと個人的に「(何か決死の行動の末ではなく)ただ悟るように死んでいく人」は、なんとなく一見善いことしてる風の逃げのようであんまり好きじゃないというのもあります。
カジとエスメが“天国で”結ばれる、っていうオチで、ヘブンズ・ライトに掛けてるのかもしれませんね。こういう結ばれ方、納得いきます? これなら個人的には映画続編のマデリン登場のほうがずっとましですね。


エスメラルダとフロローの対立も若干わかりづらくなっていました。
映画の殺るか殺られるかのピリピリした雰囲気が好きだったのですが(笑) 「黙れ(サイレンス)!」「黙らない(ジャスティス)!」のくだりも、エスメラルダ役の人がまじめそうだったので、ここら辺の正義感の強いシーンが生きてくるなぁと思っていたのですがなくなってたし!
フロローのキャラ付けとして、映画では独善的な正義と排除がメインで描かれていましたが、ミュージカル版だとおそらく上から目線の善意による支配みたいなことをやろうとしていると解釈しました。
映画だと排除/寛容という分かりやすい対立関係が作れていました。しかし舞台だとどっちかというと物わかりの良いふりをして絡めとろうとするような、良かれと思って勝手に内面に価値観を植え付けてくるような、そういう渋い、確かに大人向けな邪悪さといった風でそこに対立軸を分かりやすく演出するのはやや難しかったかもしれません。とはいえイマイチその気持ち悪さというか押しつけがましさが出てなかったような気もします。

ここはフロロー役の人の演じ方もあったのかなとちょっと思いました。ナイスミドルすぎるというか、やらしさがないというかw(やらしいこと考えてるでしょ!ってエスメに罵られるシーンありましたけどwむしろ生々しくならないような配慮…?( ˘ω˘ ))
いや歌はうまかったし声は良かったし(いかにも役者!って感じのイケボだった)そういう点ではまずまずなんですけど…普段はどういう役の人なんだろう。
あんまり映画的な酷薄・残忍さであったり、原作的な生真面目こじらせ残念さであったりが出ていなかったような…。
教会に入ってきたエスメラルダに「君は見所がある」と会話するとことか、いい人さのほうが強めであんまイヤーな雰囲気がない様に思えました。そのあと発言を翻すとことかもそこまでハッキリと落差や邪悪さを感じず。
ジャンやカジにジプシーの女やエスメを追い払って共に平穏に暮らそうと語り掛ける歌やシーンの、ミソジニーというかホモソーシャル的なキモさも期待していたほどではなかったのが残念。このキモさはおそらくオリジナルで映画より強化したとこだと思われるんですけどね。もうちょっとそこらへん押し出してほしかった。。

ジャンとカジモドとエスメラルダと、3人とかかわることでそれぞれよい愛情を知り・頭の固さを直す機会があったのにそれに失敗したせいでフロローは死んだのかなとメルヒェン的な(3回の繰り返し)ことを考えたり。

 

カジモドとエスメラルダは文句ないです(笑)
エスメラルダは原作通りだと幼くて、古ーい少女漫画みたいなキャラなので映画のままでGOになったんでしょう。
突然キレだすカジモドに笑う。これは人間らしくなってて好きでしたね(自分がなぜだか人が怒るお芝居が好きというのもある)。原作でも見た目や障害で差別されてきたせいで若干意地が悪い設定だったのでそこらへんが反映されてるのかな。


#舞台的な演出・歌について
普段舞台演劇を見慣れないので、演じ方であるとかお約束などが新鮮で、そういった意味ではちょっと面白かったです。

 

死んだ人(ジャン)がスッと立ち上がってはけていくところとか、キメキメで状況説明してくださるモブキャラの皆さんに笑ってしまいました。

 

最初にガーゴイルたちが出てくるときの、カーンとかポーンとか鉦を鳴らす謎演出、あれなんだったんですかねw ものすごい「お芝居っぽさ」を感じましたw
どこまで劇団四季によるもので、どこまでがオリジナルに準拠したものなのでしょうか?気になります。
映画のガーゴイルたちっぽい声の人がちらほらいたのが個人的にうれしかったり。

 

しょっぱなに司祭様の香炉が出てきたのめっちゃテンション上がりました。あの香炉超欲しい(∩´∀`)∩

 

衣装、特にエスメラルダのがよかったです。映画はどうしても動き重点で、動かしやすいシンプルな服装になってしまうのですが、そこをうまくシックに安っぽくなく実写化できていたと思います。コスプレのペラペラ衣装と違いますね(そりゃそうだ)。

 

エスメラルダがいちいちちょこんとお辞儀するとこがかわいかった。
フロローさんの二度見w

 

カジのしゃべり方、アルバムで聞いてた時はすごい怪物感があって(絞り出すようにしゃがれ声で話す。歌う時だけ伸びやか)、舞台ではどうなるかなと思っていたら怪物というよりほんとの耳が聞こえにくい人っぽかったですね。リアル路線。そういう演じ方は良かった。原作でも耳が聞こえない、片目見えない、あとうまく話せない?といった三重苦のキャラだったので。
最初のフロローがカジに聖人の話を教えるシーンでもちょっと手話を使ってたのも原作っぽかったです。二人だけのオリジナル手話を使って意思疎通を図ってるという設定が反映されてるような。

 

アルバムに入ってなくても、ちょっとしたシーンでちょこちょこ歌っていて驚き。本物のミュージカルってマジでずっと歌いっぱなしなんですね。
映画でもセリフでさっとやったようなところを一々歌ってるにもかかわらず、さらに隙間に歌を詰め込んでくるとは…。

 

「アウト・ゼア」と「ヘブンズ・ライト」、かなり忠実な訳になっててよかった!
正直映画の浅利訳は気に入ってなかったので…似たような歌詞ばっかり繰り返してきて情報量少ないし…しっくりこない文章にするし…中途半端に英語を残すし…(←不満たらたら)。別の人の訳が付くだけでも舞台化された意味があったと思います。

 

「アウト・ゼア」のほうはやはり映画と比べちゃうと、動きに限界が(''ω'') 頑張って上り下りしてました。 まあ比べちゃダメなんですけど…。ここと最後エスメを助けるところは映画の作画が素晴らしいこともあり、なかなかそれを上回るという風にはいきませんでした。あとこれに限らずカジ役の人の歌声が微妙に不安定に感じたんですが気のせい…?
舞台だと「輝きの中へ」というタイトルになるみたいなんですが、映画で「輝きの中へ」というと、最後カジがエスメとフィーバスの手をつながせて自分も外へ出ていくシーンにかかっている曲のタイトルなので、すごい皮肉っぽさを覚えましたw 舞台だと輝きの中へ行く=(最終的に)エスメの死体を抱いて死ぬ、ですからねぇ…。

 

「トプシーターヴィー」、人数少ないながら頑張ってましたね。一生懸命逆立ちしてる人に、映画のカートゥーン的華々しさとの落差を感じてちょっと切なさがありましたが(;´∀`)
クロパンの衣装、あれでいくのかと思っていたらやっぱりあのままでしたね。なんかずん胴でパリッとしないような( ˘ω˘) あと「リズム・オブ・ザ・タンバリン」の終わりとのつなぎ目のやり取りそんながっつりいらんやろ。
幕の向こうにほぼ隠れてるときでもお芝居してる?のが細かい(それとも業務連絡?(笑))。
カジが顔を出した瞬間、後ろのコーラスの人たちが驚いてるのがかわいかった(笑)
丸く穴を開けたとこから変顔を出す演出は原作っぽかったですね(原作だと聖堂だか講堂だかの大きい建物の内部に空いた小窓?みたいなとこからそれぞれ顔を出すという描写だったので)。
あとカジがモブキャラに「大司教のペット!」って煽られるとこも原作っぽかったです(カジはフロローの忠実なしもべとか飼い犬的な風に周囲から思われていたみたいなのがあった気がします)。

 

「リズム・オブ・ザ・タンバリン」(エスメラルダが踊るところ)、歌い始めのスカートをブワッて巻き上げて脚をガッとみせるところがセクシーでかっこよかったです。
曲の中でセリフとして「おおーっ」の歓声が上がるポイントと、そのスカートをぶん回す演出のあるポイントがずれていたのがちょっと口惜しかったり。

 

「タバーン・ソング」、あの酒場の名前が全然聞き取れなかったのでついにわかるかなと思ったら結局聞き取れず(爆) La Pomme d'Eve って何て読むんでしょう(/ω\)
しかしこの曲にフィーバスがいたことに気付いてなかった(歌わないから)。歌詞カード見たら一応名前は書いてあるや。この曲はおそらく原作のフロローが二人の情事を出歯亀してカッとなってフィーバスを刺すシーンをマイルドにしたやつなんでしょうかね(自分で書いててあれですけど原作とんでもねぇな!よくディズニーこれ原作で行こうって思ったな!)。ベッドシーンは難しいのでとりあえず踊っとくインド映画方式か。

 

「ヘブンズ・ライト」足をプラプラさせながら歌うカジかわいい。
訳が改善したことで、あとの「イン・ア・プレイス・オブ・ミラクル」でのリプライズ部分がしっくりいくようになってました(映画のリプライズはもう一度全然違う歌詞を当ててましたからね。まあ難しいところではあるんですが)。

 

エスメラルダ」(フロローが街を焼きだしてフィーバスが反抗するところ)、この曲はアルバムで聞いていて、舞台版オリジナルの曲としてとても気に入っていたので楽しみにしていました。これもまあまあというか(´ω`) 歌の終盤のやかましさが体感できたのは良かったです。アルバムのほうはもっと統率のとれた大合唱という雰囲気だったのに対し、舞台では雑兵がわーっと向かい来るといった雰囲気でそこに笑ってしまいました。あとみんないっぺんに歌うと全然聞き取れませんねw
歌い始めの兵士のソロとかももうちょっと高らかさやメリハリがほしかった。直前の王様とフロローのやりとりから流れでサラッと始まってしまったような気がしたので。

 

「ENTR'ACTE」(二幕の最初のコーラスだけの歌)、歌声細かったなぁ(´・ω・)
飛行機乗ってきて耳が変だったからか? きれいなんだけど力強さとか圧をあまり感じませんでした。
アルバム聞いてた時はもっと意味が分からないくらいやかましい歌だったので(歌詞全部ラテン語だし完全に仕切り直しの歌っぽいのに圧がすごい。逆にもう一度観客を引き込むために気合入った歌い方するのかな)、それを期待するとちょっと拍子抜けでした。
まあ全体的にスタジオレコーディングのCDと舞台の生歌を比較するなって話かもしれないんですけどね。見に行く前もあんまハードル上げすぎるとまた魔法の夜の音楽会みたいに微妙な気持ちになるぞとは思ってたんですけど。
ところであの舞台ってマイク使ってるんでしょうか…?遠くて役者さんの顔もあんまりわからないくらいだったのですがもしかして使ってない?だとしたらすごいですね(でもコーラスは人数いるからもっと頑張ってほしいかも)。

 

「フライト・イントゥ・エジプト」(エスメからもらった地図を解読するところ)、これは舞台を見てやっと何をうたっているのかわかってよかったです。急にエジプトエジプト言い出したから何が起こったのかと。話の序盤でABCを教えるくだりはキリスト教の聖人の話に変更になってたとは。
この聖人の衣装と帽子がなんとなくダンブルドア先生に見えてしまったのは秘密だ。
頭が落ちるとこ、大道芸っぽい。

 

「メイド・オブ・ストーン」(カジが石だったらよかったと絶望する歌)良かった。最後の長くのばすところとか力強くて。

フィナーレのフロローが突き落とされるシーン、アルバムの歌詞カードに「ジャンの亡霊」とあったのですがほんとに端っこにいて、出番が有ってよかったね感。

 

エスメラルダを助け出して聖域を宣言するシーンは、思ったよりあっさり。映画だとここが一番のクライマックスなので、思いっきり力が入っていたのですが、舞台だとエスメが死ぬシーンがクライマックスになるからでしょうね。
ここで流れている曲を聞いていると、映画の同じシーンの曲よりなぜかテンポが1.1倍速くらい早いんですよねwなぜ。そんなに間が持たない(動きづつけられない)しほかの進行もあるから早回しにされちゃってるんでしょうか。

その代わり最後エスメラルダがスッと立ち上がって中央奥の通路に去っていくところは、舞台っぽくてジンと来ました。客席に背を向けてうずくまるカジモドも。あのシーンはなんだかとてもよかったです。舞台のほうの優れている演出といえばこのシーンを挙げたいと思います(死にオチ自体に納得はいっていないのですが)。
ただこのシーンの「周りの人が光を浴びて変な格好で固まる」という部分はちょっと良くわからなかったのですが…(;・∀・) あれは何を表現していたのでしょう?時間停止?
アルバムを聞いていたときは天使的な存在がエスメラルダを連れていくのかなとか思っていましたが二本の足ですっくと立って退場していきましたね。

 

お芝居で「編集」、映像でいうところのカット割りとか映像技法に相当する部分ってどうやるんだろうと思っていたのですが、まさに(物理)なんですねw
階段を登っているさまを、階段自体をぐるぐる回して表現したり。
フィナーレで扉を壊す兵士たちがスローモーションになるのも、役者さん自身がゆっくり動いているし。
リズム・オブ・ザ・タンバリンで時間が止まったように男三人だけ歌うところでエスメのスカーフが固定されてフィギュアみたいになってるのも面白かった。

それから柵万能説。大聖堂の手すりにもなるし、パリの町並みにもなるし(*'▽')
同じ平面でも手すりの有無で室内に見せたり上の階のベランダになったり、キュビズムみたいで面白い。
牢屋の檻として立てている場面で、ちょっと倒れないかヒヤヒヤしました(笑) 不安定に見えますけど結構安定しているんですね。 ここで倒れてフロローに当たったら話の筋が変わるなあとか考えてしまった←

 

 

後から考えてみると、舞台演劇というのはおそらく、(映像ならガッツリ描いてしまうところを)演じ手の表現力と受け手の想像力で補って、物語を共有して楽しむもの、なんですかね。素人考えですが…。
私はお笑いが好きなのですが、確かにコントだとセットがゴテゴテ作りこまれているものよりパイプいす少しで芸人さんが想像させてくれるようなものが好きですし。
(私はアートの教養がないので、アート関連のことは何でもお笑いに引き付けて考えるクセがあります)
あるいはこの舞台が目指した演出がそういうシンプルなタイプのものなのでしょうか? ライオンキングだと動物のビジュアル的な楽しさがありますけど、ノートルダムの鐘は見た目が地味なのでそういう手法をとったとか。
そう考えるとこの作品は、シンプルな演出でも話の構成と歌の良さで間が持つので、ある種舞台演劇向きともいえると思うのですが、結局話に変に手を入れたことで惜しいものになってしまったと思います。

 

 

最後いつまでもいつまでもアンコールに答えてくれてたのが笑った。
一日一公演だから終わっちゃえば時間に余裕があるんですかねw
フロロー役の人が一番最初に戻ってくるの笑うからw あれか、死んじゃった後の時間を休憩に有効利用か。


見てしばらくした後、感想を書く前はもう一度見に行ってもいいかなあなんて思っていたのですが、感想書き始めたらやっぱいいやって気持ちになりましたね(おい
まだパンフレット読んでないのでまた読んだら追記を書くかも。
舞台のCDは歌詞を知りたいのでおいおい買う予定。