『ボックストロール』

ライカってコララインだけがよくて、それ以降はずっとイマイチな気がする。
今回もあんまり寓意を読み込むというよりは、ただただ単純な筋だなという印象。最後の制作シーンだけが楽しいなんて言うのは辛辣すぎますかね。
クボもそうなんですけど主人公の物語を推進する力が弱いような。
利発でグロ好きなお嬢さんのキャラはよかった。それと、階級上昇をめざす女装と歌のうまい悪役も味があって好き。
でもこの話で目標があるのってこの二人くらいで、正直主人公にはっきりした目的意識がなさげなのがなあ。まあクライマックスに「みんなで悪役に立ち向かうんだ！」っていうインパクトを持ってきたかったんだろうけどそれにしてもトロールたち何もしなさすぎ。最初は「みんなで逃げよう！」みたいな目標を立てて最後に「やっぱり逃げてるだけじゃだめだ、戦おう！」っていう展開でも、ベタだけどよかったんじゃなかろうか。
トロールたちも思ったより出番少ないし。トロールたちミニオンぽいし暮らしぶりもどこかで見たような雰囲気であまりオリジナリティを感じられなかった。

話のテンポもゆっくりしてるし。同じこと何度も説明しなくていいよ！

CGっぽい（というか別々で撮影して合成してるのかな？）絵面が多くて、クボを見たときにCG全開じゃん…って思ったけど今作の時点でもうだいぶそんな感じだったんですね。てかそういうCG使うの嫌やってコララインの時言ってなかった…？

この悪役に関する絵面（アレルギーとヒルと最後爆発するとこ）が異様にエグいのはなぜなんでしょうか。差別化を図ったのかな。しかし日本で上映なかったのもこれ見てちょっと納得してしまった(笑)。　この悪役は好きなのでもう一度見返したいんだけど、このシーンをまた見なきゃいけないと思うとちょっと考えてしまいますね。
乳製品アレルギーなのかわいそうだったな。『くもりときどきミートボール』のヒロインのアレルギーのシーンでも結構痛々しかったのにそれどころじゃない表現だし。最後ヒロインあたりに「こんなチーズ紳士同盟が何よ！あなたにはほかにいろいろ才能があるじゃない！」とか言ってもらって彼を救ってほしかった（実際あの町長たちの集まりはすごいろくでもないし）。